- 本音を言いたいけれど、どう言ったらいいのか分からない
- 本音を伝えたら怒られてしまう気がする
- 本音を伝えようとするとついつい責め口調になり、いつも喧嘩になってしまう
こんな悩みはないでしょうか?
今回は夫婦間で使える、上手な本音の伝え方をお伝えします。
本音を伝えるにはI(アイ)メッセージ
結論からお伝えすると、上手なコミュニケーションをするにはIメッセージが有効です。
Iメッセージとは「私は」と主語を明確にして伝える手法。
「私は〇〇と思う」
「私は〇〇をされると嬉しい」
そうやって「自分がどう思っているか」を伝えると、相手も自分も傷つきにくい、win-winな伝え方に変わるんです。
相手を主語にしたYouメッセージ
Iメッセージは主語を「私は」にします。
(例)「私は〇〇されると悲しいの」
自分の感想を伝えるため、伝わり方もマイルドで、相手は責められてると感じにくい言い方です。
逆に相手を主語にした言い方を「Youメッセージ」と言います。
(例)だから(あなたは)ダメなのよ
相手(You)を主語にすると、その時の相手の事情や状況などは関係なく、相手を「責めている」イメージが強調されてしまいます。
また、響きとしてもどこか客観的で冷たく、まるで自分の言っていることが一般的にも正しいと主張しているかのような印象になってしまいます。
狙っている着地点は一緒でも、そこまでの経緯が違うだけで、夫婦関係は大きく左右されます。
Iメッセージ、Youメッセージの具体例
他にも具体的な例を紹介したいと思います。
<Iメッセージ>
私は毎日洗濯されている方が嬉しいんだ。
<Youメッセージ>
(あなたが)毎日洗濯しないから嫌な気分になる。
<Iメッセージ>
(私は)キッチンが片付いてなくて悲しくなっちゃう。
<Youメッセージ>
あなたがキッチンを片付けないからイライラする。
<Iメッセージ>
私は、大事な話は席について聞いてくれると嬉しいんだ。
<Youメッセージ>
あなたが席について話を聞いてくれないから、寂しい。
まずは自分の感情を見つめることから
Iメッセージを上手に伝えるには、「感情」を素直に表現できることがとても大切です。
なぜなら、ただ「嫌だ」「やめて」など否定的な言葉ばかり並べても相手は、自分の行動を責められている、という風にしか感じないからです。
まずは、自分の心の内を見つめて「あぁ。自分は寂しかったんだね」「悲しかったよね」「不安になったんだよね」と感じてあげることが大切です。
また、怒りが真っ先に沸き起こってくる時もありますが、その時も一緒。
怒りは「感情のフタ」と言われているので、その下には必ず「寂しい、悲しい、不安、恐怖」などの感情が隠れています。
その部分を見つめて、まず受け入れること。そうすることで初めて相手にも伝えることができるようになります。
逆に「こんな感情生まれてきてはダメだ」「こんなこと思う自分はダメだ」と自己否定をしてしまうと、想いを相手に伝えることもできないし、自分を傷つけてしまいます。
生まれてくる感情に良い悪いはありません。あなたがそう思うなら、それは正しい感情なんです。
感情を言語化する練習を日々しておくと良いですよ。
Iメッセージを使うことに抵抗がある場合
ここまでIメッセージの大切さをお話ししてきましたが、実際にIメッセージを使うには意外と勇気が必要です。
- 自分の気持ちに自信がない
- こんな感情伝えて良いのかわからない
- 自分の気持ちがそもそも分からない
- 相手に悪い気がしてしまう
など様々な感情が湧き起こり、なかなか上手に使いこなせなかったりするんですよね。
それはもしかしたら
- 罪悪感と無価値感
- 他人との境界線が曖昧
が影響しているかもしれません。
罪悪感と無価値感
罪悪感と無価値感は無意識にあなたの中に溜まっていきます。人生上の様々な経験の中で溜まっていくので、ピンとこない人もいるかもしれません。
簡単に言うと、罪悪感とは「申し訳ないと思う気持ち」。無価値感とは「自分には価値がないと思う気持ち」です。
罪悪感と無価値感の兆候
それぞれの兆候を見ていきましょう。
- 自分のことを毒のように感じる
- 自分の存在自体が迷惑に感じる
- 幸せになっちゃいけない気がする
- 大切なものほど、自分から遠ざけたくなる
- 助けを求めるのが苦手
- 誰かの愛情を素直に受け取れない
- 助けられると申し訳ない気持ちが真っ先に出てくる
- 問題が起こると自分のせいのように感じる
- そのままの自分じゃダメだ。と感じる
- 価値がないから、〇〇しなきゃ!と強迫的に思う
- 周りが常に自分よりすごいように感じる
- 何か役に立ってないと、自分は愛されないように感じる
- ブランド物に身をまとってないと不安
- 〇〇したんだから、代わりに△△してよ。と取引をしてしまう
罪悪感と無価値感は、誰しもが持っているものです。なので、これがあるから自分の気持ちを伝えられない、という風にはなりません。
ただ、気持ちを伝える時に抵抗が強い場合は、影響していることもあります。
罪悪感と無価値感は共存を目指していく
罪悪感、無価値感は無くそうと思っても、完全にはなくなりません。なので、自分の中にあることを受け入れて、共存することを目指していくのがベストです。
罪悪感や無価値感があるからいけない!という考えになってしまうと危険です。自分自身を否定してしまうことになりかねませんから。
あまりにも罪悪感、無価値感が強い時は、そんな自分を「よしよし。辛いよね」とセルフハグしてあげること。
そして、それでも難しい場合は、どこからその罪悪感、無価値感が生まれてくるのか、「ルーツを探して癒す」という作業も必要になってくるかもしれません。
その場合は、1人では難しいことも多いので、カウンセリングやヒーリングを利用していくことをオススメします。
相手との境界線が曖昧になっている
また、相手との気持ちの境界線が曖昧で、他人軸が強い時もIメッセージを使うことに抵抗が出てきます。
ただ、その抵抗自体はあって当たり前。今まで他人のために優しくしてきた人ほど、抵抗が出てきやすいです。
Iメッセージを使うこと自体が「他人との境界線を引く」行為でもあります。少し頑張ってやってみるか、それでも抵抗が強い場合は、相手との「気持ちの癒着」があるのかもしれません。
「私は私。〇〇は〇〇」という言葉を繰り返し呟いて、境界線を作っていきましょう。